ディープキスで感染する性病

クラミジア感染症 性病について

性病の中には喉に違和感を発症するものがあり、風邪の症状に大変よく似ていることから性病と気付かないまま過ごしてしまうことが多いのが特徴です。性行為を伴わなくてもディープキスをしただけで、性病を引き起こす菌が口腔内に侵入して感染を起こします。そこでディープキスで感染する2大疾病について、感染した場合にどのような症状が現れるかについて見ていきます。

喉の性病で最も多い咽頭クラミジア

喉が腫れている、痛みがある、もしくは喉がイガイガするといった風邪のような症状を現わすのが「咽頭クラミジア」という性病で、感染してから発症するまでおよそ2週間の潜伏期間があります。クラミジア菌(クラミジア・トラコマティス)を保有している人とディープキスをすることによって菌が口腔内に入り、咽頭に感染した状態を咽頭クラミジアと呼びます。咽頭クラミジアは感染しても症状が軽いのが特徴で、風邪をひいたと思ってしまう人がほとんどです。
そのため風俗店などをよく利用する男性だと9割以上が感染していると言われており、風俗店で働いている女性も咽頭クラミジアに感染している人は多いと考えられています。また感染から発症までの期間が長いことや、風邪の初期に見られる喉の炎症に非常に近いことから風邪薬などを飲んで対処しているケースが多々あり、ただの風邪だと思っていたら実は咽頭クラミジアだったというケースは少なくありません。そのため感染したことを知らない間にディープキスをした相手が、新たな咽頭クラミジアの感染者となることも多いのです。咽頭クラミジアはディープキスによる「ピンポン感染」を引き起こしやすく、そのせいで感染する率が高くなっていると考えられます。場合によっては喉にまったく違和感や風邪の症状などを感じない人もいるため、ディープキスで感染する喉の性病では最も注意が必要です。

ディープキスで感染しやすい咽頭淋菌感染症

「咽頭淋菌感染症」は「咽頭クラミジア」に次いで感染者が多い病気で、淋菌感染症(淋病)と呼ばれる性病とは異なります。しかし咽頭に原因菌がいるため、ディープキスをすることで咽頭淋菌感染症にかかる率が非常に高まるのが特徴です。性器への感染が多いものの咽頭への感染率も高く、咽頭に感染したときには「咽頭淋菌感染症」として「性器淋菌感染症」と区別することも少なくありません。咽頭淋菌感染症も咽頭クラミジアと同様に、喉の痛みや腫れなどの症状を引き起こします。
ときには発熱や咳などの症状も伴うため、やはり風邪をひいたと考えてしまう人が多い性病です。咽頭淋菌の潜伏期間は通常は1~2週間ですが、早い人なら2~7日で発症します。しかし咽頭淋菌感染症の多くは症状が軽度で、中には喉になんの違和感も感じない無症状もよくあります。そのため咽頭淋菌感染症と知らずにパートナーとディープキスをし、パートナーも感染させてしまうというケースが後を絶ちません。咽頭淋菌感染症は症状が軽いことがほとんどですが、まれに咽頭炎や扁桃腺炎などを引き起こすことがあるので注意が必要です。しかしこれらも風邪をこじらせたことで発症することが多い病気のため、なかなか性病に感染したことがわかりにくくなっています。

ディープキスで複数の性病に感染することも

近年増加傾向にある淋菌感染症は、性器には感染していないけれども咽頭に感染している状態の性病です。感染経路はクラミジアや淋病の菌を保有している人とのディープキスで感染することが多く、クラミジアや淋病に感染した人の咽頭からは10~30%の淋菌が検出されたという報告がされています。喉の性病は見た目には特段の変化が見られないため、きちんとした検査をしない限り感染していることがわかりません。特に喉に違和感を感じる場合や少々の痛みが出る咽頭クラミジアと咽頭淋菌感染症は、どちらも同じような症状を呈することから両方に感染しているということも少なくないのです。
特にオーラルセックスに抵抗感がなくなっている昨今、感染していると知らずにディープキスを介して喉の性病に感染することが珍しくありません。初期の風邪だと思って市販薬などで対処する人も多いですが、咽頭クラミジアや咽頭淋菌感染症は悪化すると扁桃腺の周囲に膿が溜まる「扁桃周囲膿瘍」を起こす可能性が高まります。扁桃周囲膿瘍に感染すると喉が激しく痛み、口が開けにくくなって食べ物が食べられなくなってしまいますので、溜まった膿を外科的処置で排膿する必要が出てきます。そのため複数の喉の性病に感染している場合は特に注意が必要で、ディープキスだけだからとの油断は禁物です。

ディープキスで感染する2大性病について説明してきましたが、喉の性病はほかにもさまざまなものがあります。
その多くは自然治癒しないため、自力で治すことはできません。ディープキス後に喉に違和感を感じたときは、早急に専門医療機関を受診して治療を受けることが重要です。

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