クンニだけで感染する性病

SEX 性病について

クンニリングスはクンニとも呼ばれ、女性の性器を舌や口を使って愛撫する行為のことです。クンニリングスはクリトリスを刺激するものというイメージが強いですが、実際には女性器の大陰唇や小陰唇を舐める行為も含みます。そのため感染するリスクのある性病は多く、その中でも特に感染率の高いものについて説明していきます。

クンニでかかる可能性のある性病

クンニリングスは相手の女性の性器を直接舐めるため、性器に潜むさまざまな菌が口腔内に侵入してくることになります。これらの性行為によって感染する病気は性感染症(STD)と呼ばれており、菌の種類や病気の種類は多岐にわたっています。
クンニリングスで感染する性病としては咽頭淋菌や咽頭クラミジア、咽頭マイコプラズマに咽頭ウレアプラズマが挙げられます。そのほかにも梅毒やHIV感染症、B型肝炎に口唇ヘルペスもクンニリングスによって感染するリスクのある性病です。特に女性の膣分泌に多い淋菌やクラミジアなどは、男性が感染する可能性は十分に考えられます。
性器を舐めることでさまざまな菌が口の中に入ってくるクンニリングスは、相手がどんな病気を持っているかによって複数の病気に感染するリスクを持っています。

口腔内に傷があるときは要注意

口腔内の粘膜は皮膚に覆われていないため、少しの傷があるだけでも簡単に菌に感染してしまいます。また抵抗力や免疫力が落ちているときにクンニリングスをすると、性病に感染するリスクが上がるため注意が必要です。特に歯の治療中で抜髄(神経を抜いたとき)や抜歯をしたときは、傷口から菌が非常に感染しやすい状態になっています。
口内炎や頬粘膜の裂傷、食べ物による火傷などがある場合も、普段に比べて大幅に感染リスクが上がると考えておくべきでしょう。口腔内はわずかな刺激でも傷を作ってしまうことが多く、歯磨きしたときに自分では気付かないほどのわずかな傷にも性病菌に感染することがあり得ます。クンニリングスで女性器を舐めるときは、あらかじめ口の中に傷がないかどうかをきちんと調べておくことが大切です。

クンニでかかる率が高い性病

女性の性器に多く存在する淋菌やクラミジアは、淋病や咽頭クラミジアを発症する原因となります。この2つはクンニリングスで舐めたときに感染する確率の高い性病で、淋病に感染している女性の性器を舐めることによって菌が口腔内に入り込んできます。淋菌に感染した状態を「咽頭淋菌感染症」と言い、喉に違和感を感じたり喉が腫れたりするのが特徴です。
咽頭炎と非常によく似ているため、咽頭淋菌感染症にかかったことに気付かないケースも多く見られます。また「咽頭クラミジア」も咽頭淋菌感染症に症状が大変似ており、同じように喉の違和感や腫れ、風邪の症状が出てきます。喉がイガイガするなど風邪の諸症状が現れることから、こちらも単なる風邪だと思ってそのままにしてしまう人が多い病気です。クラミジアは潜伏期間が1~3週間と長く、発症するまでは感染していることがわかりません。そのためクンニリングスをした後でも身体になんの変化も現れず、1~3週間の間に再び性器を舐めれば仮に前回感染していなくてもその間にかかってしまうリスクが出てきます。クラミジアは感染力が強くて治療に時間がかかるのが特徴で、もしも多剤耐性菌に感染すると抗生剤が効かなくなる可能性もある怖い病気です。

感染リスクのあるその他の性病

咽頭マイコプラズマや咽頭ウレアプラズマは「性器マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症」と呼ばれる病気で、淋病やクラミジアによる感染症ほどはよく知られていない性病です。しかしクンニリングスで舐めたときに淋病やクラミジアと同時に感染することも多いですが、尿道炎に似た軽めの症状を現わすことから性病と気付かない人も少なくありません。近年若い女性を中心に増えている梅毒は、感染してから症状が出るまでの期間が3週間、検査ができるまでには4週間もの期間が必要です。
女性では20代、男性では20~40代に多く、クンニリングスをすると性器だけでなく口腔内や喉にも梅毒が感染します。梅毒が進行すると性器だけでなく手のひらや全身にできものや発疹が現れ、10年以上経過すると脳や心臓にも病変ができることがある性病です。また梅毒に感染するとHIVにも感染しやすくなり、感染初期は発熱や頭痛の症状が現れます。インフルエンザの症状に大変よく似ており、数日から数週間で消えるのが特徴です。しかし無症状のまま5~10年かけて静かに病状が進行し、身体の免疫力を奪っていきエイズを発症する恐ろしさを抱えた病気となっています。 

クンニリングスをすることで感染しやすい性病について説明してきましたが、多くの性病に共通する点として知らない間に広めてしまうということが挙げられます。もしも性器に異常を感じる場合や咽頭炎の症状が長く続くというような場合は、早めに医療機関を受診してきちんと検査を受けることをおすすめします。

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